お雛様

お雛様の並べ方が京都だけ逆なのをご存知ですか。
左側(向かって右)にお内裏様、
右側(向かって左)にお雛様の並びです。
日本は中国に倣い左側を上位としてきました。
皇帝、君子は北を背に南側を向いて着座します。
多くの宮殿や寺社は、この思想から南側を向いて建てられています。
太陽は、左側の東から昇り右側の西に沈んでいくため、
左上右下の思想が起こりました。
舞台は、左側(向かって右)を上手、
右側(向かって左)を下手と呼びます。
左大臣と右大臣では、左大臣が上位。
相撲の番付も東が上位。
和服の袷も左が上。
おみおつけを右側に配膳するのも、
主食のご飯が左側だからです。
ところが世界基準は右上位なんです。
オリンピックの表彰台は、1位を真ん中に
右側(向かって左)の2位と左側(向かって右)の3位という配列です。
左手で女性をかばい利き腕の右で剣を持つナイトの姿から、
女性が左側(向かって右)、男性が右側(向かって左)に立ちます。
欧州留学の経験をお持ちの昭和天皇は、
即位の礼に際して世界基である右側(向かって左)に立たれ、
その写真が新聞に掲載され右上位が広まり、
お雛様の並べ方も変わりました。
平安時代から続く文化を継承する京都だけ、左上右下が残りました。
現在の結婚式では、新郎が右側(向かって左)、
新婦が左側(向かって右)ですが、
引き出物の掛け紙の並びは、
新郎が左側(向かって右)、新婦が右(向かって左)になりますので、
注意が必要です。